ドイツの大学の基礎情報を知る
ドイツの大学システムの概要について、以下のビデオをご覧ください。
ドイツの大学システム
ドイツの大学は大きく以下のような種類に分けられます。詳しくはこちらをご覧ください。
学術研究のための総合大学 (Universität/university)
総合大学では主に理論を学び、研究に重点が置かれています。幅広い専攻分野が提供されていることが多いのですが、中には工科大学(Technische Universität, TU)、教育大学(Pädagogische Hochschule, PH)もあり、また、ハノーバー医科大学やケルン体育大学のように1つの分野に特化している総合大学もあります。
実践志向の勉学のための応用科学大学 (Hochschule für Angewandte Wissenschaften / university of applied sciences)
応用科学大学(HAW)での勉強は実践志向であり、理論よりは専門的な応用に重点を置いています。専攻分野としては、技術、経済、社会福祉、メディアなどが多いです。実践を行う学期として企業での実習が組み込まれていることも多いです。
芸術を学ぶための芸術系の大学(Kunsthochschule)
芸術系の大学では、音楽、建築、美術、デザインなどを学ぶことができます。入学には芸術的な才能を示す必要があります。また、特別な才能が認められると大学入学資格がなくても入学できる場合もあります。
国立大学:ドイツの大学の約60%は、連邦政府と連邦州によって運営されています。国立大学では基本的に授業料は無料です(例外:バーデン=ヴュルテンベルク州の国立大学では、EU以外の国からの留学生は授業料を支払います)。
私立大学:ドイツの大学の約30%は国から認可された私立大学です。その多くは応用科学大学であり、企業との密接な連携や国際志向が高く評価されています。授業料が高い私立大学もあります。
教会立大学:約10%の大学は国から認可された教会立の大学です。他宗派の学生にも門戸を開いている場合が多く、通常、神学、哲学、社会福祉、教育など、特定の分野に重点を置いています。
ドイツの大学で得られる学位には主に以下のようなものがあります。詳しくはこちらをご参照ください。
Bachelor(学士)(文学士(B.A.)、理学士(B.Sc.)など)
・最初の学位
・基礎課程(6~8学期間)
Master(修士)(文学修士(M.A.)、理学修士(M.Sc.)など)
・Bachelor取得後にさらに学ぶための課程
・より高度な学修課程(2~4学期間)
Staatsexamen(国家試験)
・医師、薬剤師、弁護士および教職の国家資格を得るための課程。一次国家試験合格をもって修了。その後研修期間を経て二次国家試験合格を目指す。
Doktor(博士)
・博士論文提出及び口頭試問により授与される学位。
・取得には2~5年かかることが多い。
・Research in Germanyも参照のこと
英語で学ぶ課程も多数あります。これらの課程 は International programs のデータベースで検索することができます。授業は主に英語で行われるため、多くの場合、英語能力の証明書が要求されます。
大半の学生は国立大学で学んでいます。多くの場合、国立大学では、入学後初めて専攻する学修課程や多くの修士課程では基本的に授業料はかかりません(例外:バーデン=ヴュルテンベルク州の国立大学の場合、EU以外の国の留学生は1学期あたり1500ユーロの授業料を支払います)。私立大学もかなり高額の授業料が必要になることがあります。授業料に関してはこちらもご参照ください。
授業料が無料でも、すべての学生は学期ごとに100~350ユーロの学期共済費 (Semesterbeitrag) を支払います。
教育の質はどのタイプの大学でも同じようにハイレベルです。どの学科も一貫して高い水準にあります。大学とその授業の質は、中立の立場の認定機関によってチェックされています。大学間の質の差がそれほどありませんので、安心して大学を探すことができます。大学を分野別に客観的な判断基準で比較できるCHE大学ランキングも大学選びの参考になります。